この桜が大きくなりし頃 ここには誰もいないでしょう それでも桜は遠い遠い 春を乞い春に散るのでしょう 平和うららかな幸せを 共に謡えし友の影よ ここに深く刻みながら 舞い上がり空に溶けてゆく 星を隠した宝石が 下から空を照らす夜でした 童話のような まるい屋根も 浮かび上がった そんな月夜 いつか土に溶ける花びらのように 溶けてしまいたかった 風に舞い上がる花びらのように 空に吸い込まれたかった この桜が大きくなりし頃 私もここにいないでしょう それでも私を忘れないで 春を待ち 花を咲かすでしょう この桜が大きくなりし頃 ここには誰もいないでしょう それでも桜は遠い遠い 春を乞い春に散るのでしょう