十六夜宵(いざよい) 昇(のぼ)る月(づき)に対(つい)の黒兎(うさぎ) 金平糖(こんぺいとう)散(ち)らした空(そら) 跳(は)ね回(まわ)り消(き)えて逝(い)った 格子戸(こうしど) 陰絵(かげえ)模様(もよう) 囁(ささや)き響(ひび)く古井(ふるい)戸(と)から 誰かを呼ぶ声は 首(くび)が欲(ほ)しいと嘆(なげ)いている 奇々怪々(ききかいかい) 枝垂(しだ)れ桜 振舞(ぶるま)く屍(しかばね) 絢爛(けんらん)な夢見せつけ 欲(よく)の花 狂(くる)い咲(さ)き 集(つど)え今宵(こんよい)はそら 森(もり)へ里(さと)へと百鬼夜行(ひゃっきやこう) 腹鼓(はらつづみ)抱えた古狸(ふるだぬき)と狐(きつね)の舞(まう)も 命(いのち)無(な)き物(もの)でも 魂(たま)を宿(やど)しいいずれ這(は)い出る 繰(く)り返(かえ)す陰(いん)と陽(よう) 理(ことわり)、教(おし)える童歌(わらべうた)