記憶の岸辺に咲く 白い一輪の花 深い霧の向こうに 面影だけが残り 僕の足跡には 新しい緑が 朝露に濡れて 命を紡いでゆく 冷たい水は澄み 覗き込めば ほら そこに街は眠る 揺らめく僕らの場所よ 忘れないでおくれ 確かにそこには幾つもの夢が在ったこと 残されたあの手紙の君の言葉だけが 僕がただ此処に存在する理由になっている 遠い日の記憶は 鮮やかに蘇る どうすれば良かったか 今なら解るのに 時間はあの時と 変わらず過ぎるのに 君は眠ったまま 煌めくあの日の街よ 思い出しておくれ 確かにそこには幾つもの夢が在ったこと 僕の胸に刻まれた 君の優しい歌 いつまでもこの静かな湖に響くよ 残されたあの手紙の君の言葉だけが 僕がただ此処に存在する理由になっている