生まれた時から その絵はかかってた 古い階段の上の 琥珀色の闇に 横顔見せた 裸の少年 青い瞳が きれいだった 彼の名は ナルシス 私がつけた名前よ ママの目を ぬすんで 椅子にのり くちづけした 罪びとの ときめき 柱時計の音 誰も知らない 孤独な少女の初恋 あの子に出会った日 心で叫んだ 私のナルシス そっくりのきれいな横顔 けれども彼は せっかちなだけの ガムのにおいを させた少年 今はもう ナルシス お前よりも年上ね 絵のように 美しい 恋などないと 知ってる けれども階段の 闇を見上げるたび めまいのように  あのときめき よみがえるの