「止まない雨」 作曲∶鈴木キサブロー 今夜の雨は ひと頻(しき)り、すぐに止む 呆気(あっけ)なく 人は言うけど 私の胸に 降り頻(しき)り 雨はなぜ 永遠に 思うほど続くの 今 もしも逢えるならば 運命(さだめ)を 避けることもできる 別れて 否(いや)となしに知った あなたに して来た罪を 憎んだかしら 時に悔やんだかしら 行方さえ 訊(き)けなくなった酒場(みせ) あの日も傘が 手放せはしない日よ 酔うほどに 棘(とげ)を感じた あなたの芯を 凍らせてみせたのは 気配りに 欠けていた私ね そう日毎、逸(そ)れて軋(きし)む 心が 愛を石に変えた 一緒に暮らすことに慣れて 女が緩(ゆる)んだみたい 独りでいいわ つれはお酒でいいわ ほろ苦く 誰かが歌う酒場(みせ) 今 もしも逢えるならば 偏(ひとえ)に きっと守りぬくの ふとした隙(すき)に揺れる綾(あや)を 瞳に見えないものを 止まない雨を 胸に忍ばせながら 待つとなく 帰れもしない酒場(みせ) 帰るにも 帰れもしない酒場(みせ) 【 おわり 】