夏の花をちぎるたび ほら吐息が散るように 川面ゆらす風は淡く髪をくぐりゆく 金に光り 銀に消えて 行く方知らぬまま 淋しいことより 愛したことだけ きっと幸せだと思えたら 飛んでゆく 飛んでゆく 見えない千の蛍 あなたへと あなたへと 心ふるわせ 恋は胸に秘ぬるたび 哀しいほど 深くなる 夜明けには消える瑠璃(るり)色の命 彼の岸 送り火の風鈴が 泣きたくて 泣きたくて 素肌を抱きしめては あなたへと あなたへと 想いを放つ 水に映る蛍火が はら涙で割れるよう