[00:11.64]ある日小さな村に旅する [00:17.01]吟遊詩人が訪れた [00:21.36]まだ若い少女で [00:25.18]旅も慣れてなかったけど [00:32.58]歌には自信がある [00:38.87] [00:42.42]少女は村の中央にある [00:48.15]広場に座りリュートを弾き唄い始めた [00:55.19]でも誰ひとり出てこなかった [01:03.61]聞こえていないのか [01:08.96] [01:12.92]悩んだ末に出てこないなら [01:18.49]無理矢理でも聞こえるようにと [01:24.41]雷鳴のように叫び唱った [01:32.60]それがみんなの心を震わせた [01:41.17] [01:53.12]出てきた村人たちは [01:58.65]みんな不気味な形をしてた [02:03.98]少し恐かったけどやがて打ち解けてた [02:14.18]歌を唄うたびに [02:19.90] [02:24.20]「こんなわたしたちを見ても [02:29.72]逃げないとは大したもんだ」 [02:34.36]そう言う杖つくお爺さんが村長だった [02:45.26]事情を聞いてみた [02:50.91] [02:54.45]昔愚かな青年が居て [03:00.24]国王の娘と恋をした [03:05.98]ふたりで駆け落ちを企てたけど [03:14.40]その途中で捕まってしまった [03:22.97]国王は冷たく言い放った [03:28.64]「こいつとその子孫にまで及ぶ [03:35.10]異形の呪いをかけて野に捨てろと」 [03:45.26] [04:00.07]ある日みんなが言ってくれた [04:05.73]「あなたの歌には不思議な力がある [04:12.86]曲がってた骨もこんな真っ直ぐに [04:21.31]もうすぐ治りそうだ」 [04:26.51] [04:31.15]毎日こうしてこの村で [04:36.82]歌を聴かせてあげれれば [04:41.03]呪いも解ける日が来る、 [04:45.96]そう思い始めてた [04:52.31]なんの迷いもなく [04:58.49] [05:01.64]だけどその噂が広まり [05:07.17]騎士が馬に乗りやってきて [05:13.13]少女を連れ去って [05:18.39]城の深い牢獄に閉じこめた [05:28.00] [05:30.06]国王が現れ「その力は私のために使え」と言う [05:41.30]そんなのお断りだ! [05:46.81]「ならそこで一生過ごすといい」と [05:53.37]告げ立ち去った [05:59.23] [06:04.13]泣いてなんかいられない [06:09.72]ここからでも歌を唄おう [06:14.99]あの時も届いた [06:17.80]さあ始めよう《終わりのない歌》を [06:31.13] [07:49.17]長い長い時が過ぎた [07:54.80]村にもまた春が訪れ [07:59.07]子供たちは輪になり伝承の歌を謡う [08:10.36]旅人が残した [08:16.58] [08:19.48]少女はまだ旅をしてた [08:25.13]もちろん大好きな歌を唄い [08:31.07]神様 叶うのなら [08:36.45]あの村でもう一度みんなに会いたい [08:44.89]もうこの世にあたしはいないけれど [08:58.30]