「お見かけ通りの渡り鳥 私 生国と発しまするは関東 関東と言っても関東は いささか広うございます 海の玄関横浜で 生まれた時から 船の汽笛を 子守唄に聞いて 育った私です」 ごめんなすって 皆々さまへ 切った仁義に 嘘はない 港 浜ッ子 ハマそだち 受けた情けは かならず返す これが これが私の 人生さ 「袖すり合うもなにかの縁 以後お見知り置き願います」 義理の深さに くらべてみれば 海は浅いよ かもめ鳥 肌も鉄火な ハマそだち 時と場合じゃ 自分を捨てて 人を 人をたすける 楯となる 「逢えば別れる 人の常 あばよと 別れて行きましょう 未練は まっぴらごめんです」 丸い盃 笑って乾して 酒に誓った こころ意気 人情一輪 ハマそだち 賭けた勝負にゃ 死んでも勝つが 恋の 恋の涙も 知っている