吐息まじりに 微笑った 頬に淋しい ほくろがひとつ どこかおまえに 似ている 似ているようで 酔いにまかせて 抱きよせた しのぶ しのぶ 小さな爪が ああ 背にいたい 不幸つづきの 運命が 痩せたおまえを なお細くする なんでいまさら 旅路の 旅路のはてで すてたおんなの 名をなぞる しのぶ しのぶ 飲むほどにがい ああ こおり酒 おとぎばなしか 酒場は 酒のちからで 夢さえかなう ふたり咲かせる 小さな 小さな春を 逢いに帰ろか あの路地へ しのぶ しのぶ さすらう町に ああ 冬の雨