齒車仕掛けの 時計の針合わせば 錆びれた孤獨が 動き出してしまう ひらひら間い降る 櫻の聲 ゆめゆめ忘れる ことなかれと 弧光燈に光る影 路地裡の散步者よ 夢は移ろい 現は消える 夜のあわいに 果てない謎ある 眺めの五線譜に 階段昇れば 手が屆いてしまう まいまいつむりの 螺旋の聲 ゆめゆめ忘れる ことなかれと 十二階に染まる街 目隱しの音が往く 路なき路を ひとり彷徨う 夜はやさしく 滿月の觀覽車 七色に開く都市 遠いお國に 浮かぶ箱船 夜がみていた