酸素が薄い此処は深海 独自の進化に閉ざされた闇 奇怪な姿 特異な性質 それらはやがて 差別を生むだろう 見せ物小屋のアイドルみたいに 良くも悪くも笑われたい 自分には無いモノばかり 君はどの瞳で僕を見る? 深海魚は未知なる世界へ泳いだ 背中には夢を乗せ月を目指す 人々が呼んだ名を聞いて知った -リュウグウノツカイ- それが僕だ 押し戻そうと波風生む嵐も 君のために越えてみせるから その先に待っているのが所詮、 この星の一部だとしても 温度の低いここは深海 独自の進化に閉ざされて隔離 太陽光の届かない海で 誰にも知れず化石となるのか サーカス団のピエロみたいに 良くも悪くも笑わせたい 好奇塗れの馬鹿学者よ 君はどの瞳で僕を見る? 深海魚は浮上し赤髪を乱した 捕獲される事も計算内だ 人々が呼んだ名を聞いて知った -リュウグウノツカイ- それが僕だ 押し付けられた幾通りのイメージ そう思わせてしまう情けなさと 自分自身呪う心から 製造された後悔と苦悩の涙 ただ一人でもいい 一人でも多く救う事が出来たなら 生まれた意味を生きた意味をせめて 書き記し消えて行くがいい 深海魚は力尽きるまで泳いだ 背中には夢を乗せ君を目指す 人々が呼んだ名の由来を知った -竜宮の遣い- それが僕だ 満足気に笑いながら憧れた 水槽で静かに瞳を閉じる その先に待っていたのは所詮、 この星の一部でしかない 井の中の蛙よ。