[00:15.570]蝉の声を聞く度に [00:19.270]目に浮かぶ九十九里浜 [00:22.600]皺々の祖母の手を離れ [00:25.880]独りで訪れた歓楽街 [00:29.440] [00:29.840]ママは此処の女王様 [00:33.520]生き写しの様なあたし [00:36.760]誰しもが手を伸べて [00:39.340]子供ながらに魅せられた歓楽街 [00:43.350] [00:43.720]十五になったあたしを [00:46.890]置いて女王は消えた [00:50.710]毎週金曜日に来ていた [00:52.770]男と暮らすのだろう [00:58.110] [01:01.440]「一度栄えし者でも [01:04.970]必ずや衰えゆく」 [01:08.340]その意味を知る時を迎え [01:11.590]足を踏み入れたは歓楽街 [01:15.040]消えて行った女を憎めど夏は今 [01:20.580]女王と云う肩書きを誇らしげに掲げる [01:28.620] [01:53.570]女に成ったあたしが [01:56.850]売るのは自分だけで [02:00.340]同情を欲したときに [02:03.690]全てを失うだろう [02:07.320]JR新宿駅の東口を出たら [02:14.040]其処はあたしの庭 [02:17.630]大遊戯場歌舞伎町 [02:28.340]今夜からは此の町で [02:34.200]娘のあたしが女王 [02:44.000] [02:45.700]