迷い星 「ぎんいろの旅路」 銀色の星が降る丘で 足を止めて 光またたく夜空を見上げる きらきらと あおぐ瞳の中に映す星は 闇を彷徨い歩く 僕に似ているね 誘いひかれる力 頼りにして 離れてはまた近く 太陽をめぐる 白銀の雪が降る丘で 息を止めて 音をなくした世界できこえる 僕の奥 心のどこかからひびく だれかの愛の歌 ひらひらと 閉じた目の蓋の上に 落ちて溶ける 僕の瞳を濡らす あたたかい涙 ひとりきりだと信じていた日々が 遠く遠くに見えて そして消えていく きらきらと あおぐ瞳の中に映す星は 僕の涙に溶けて ゆらゆらと揺れる こぼれ落ちないままに すくいあげたなら 僕の冷たい胸が 満たされていくよ 終わり···