矢切の渡し(昭和58年) つれて逃げてよ・・・ ついておいでよ・・・ 夕ぐれの雨が降る 矢切の渡し 親のこころに そむいてまでも 恋に生きたい 二人です 見すてないでね・・・ 捨てはしないよ・・・ 北風が泣いて吹く 矢切の渡し 噂かなしい 柴又すてて 舟にまかせる さだめです どこへ行くのよ・・・ 知らぬ土地だよ・・・ 揺れながら艪が咽ぶ 矢切の渡し 息を殺して 身を寄せながら 明日へ漕ぎだす 別れです