作曲 : 宮川弾 作词 : 宮川弾 騒がしいラヂオの合間に飛び込んできた 懐かしいあの声にわたしは耳をふさいだ 此処は夜も昼も無い何時でも造られた灯かりが 耿々とわたしの瞳に影をおとすの 此方へおいでとあの夏溺れた 蒼い森がわたしの髪を引く 声が響く たりらん てぃらり ほうら、其処は眩しくて 弱いお瞳々を焼いている さあ、お聴きなさい 今日は暗い色をした外套を羽織っておそとへ 嗚呼矢張り濃い霧が景色をぼかす 遠くにじんだ街は盛んに色を重ね 愉快そうなお顔をしてわたしを拒むのです 箱を抱えて耳を塞いでも 濡れた木陰がやおら頬を撫ぜる 靴音響く たりらん てぃらり ほうら、森はすぐ其処に 稚児の振袖でわらう さあ、ご覧なさい 何処へ逃げてもわたしのかたちは 変わりえぬまま息をひそめ歌う 鳴り響けよ たりらん てぃらり ほうら、嘆きはあざやかに醜いわたしを飾る 「おかえりなさい」