聞いてください 私の歌を 聞いてください 私の歌を…… 幸せを謳う 青いカナリヤ 彼はまだ 雪解けの時(とき)を夢見てるのだろう 幸せ求める 人に届けと 今はもう 枯れ果てた声で歌い続けている るるりらら 私の声が聴こえますか…… 聞いてください 私の歌を 聞いてください 私の歌を 愚かな幸を追って 視力(め)を失った人々に 幸せの祈りは 聴こえない―― 幸せを捜す 盲目の少女 その手には錆びた鳥籠 “幸せを手に入れるの” 幸せの鳥を 見つめる少女 “枯れるまで泣いているなんて あきれたカナリヤね” るるりらら 私の叫び(こえ)が聴こえますか…… 聞いてください 私の歌を 聞いてください 私の歌を 少女は籠を捨てて 声を亡くした彼を抱き 識らなかったはずの 存在(いろ)を識る―― 二度と鳴けない カナリヤは今も 少女の肩で 歌い続けている……