小さな手のひらで握り諦めた灯火は   既に凍り付いていた やっと会えたその笑顔私に似ているわ 早く名前を呼びたい どうして私にだけ与えてもらえないのでしょう 小さな体はやがて温もりを無くして 動かない鉛のように 私の腕から溶け落ちてしまうあなたを もう抱きしめられなくて どうして私にだけ与えてもらえないのでしょう 春は二人手を繋いで躍る花の下をくぐる 私に手を振るあなたが見える 夏も二人手を繋いで空に咲いた花を仰ぐ 多くは望まないのに… どうして私にだけ授けてもらえないのでしょう 秋に出会うはずのあなたが何処にもいない 私のなかを引き裂いて探してるのに 命は全て海へと帰るというのなら 冬にはそこへ迎えに行くから