歪に消える月は  醜く淡い紅となり 汚い造形物に  価値など無いと排除して チクタク逆に廻る鉄  命の理由を知って さぁ泣き叫べ  落とした真っ赤な蜜を塗りたくって 月は唸り出し  忠誠と共に止まった 身体の奥の方で  ヒヤリと湿る銀時計 秒数刻むたびに  鼓膜を震わせ制御して 小さな薔薇の蕾さえ  命の理由を知って 今咲き乱れ  魅せて  燃え朽ちて 僅かに欠けた紅い月  綺麗な色になって さぁ泣き叫べ  揺れて  甦れ 落とした真っ赤な蜜を舐め取って 月は唸り出し  快楽と共に砕けた