[00:26.39](私の)胸元に薄紅(うすべに)の [00:28.70]彼方(あなた)の貌(かたち)ぞ残れり [00:31.57]唇に面映(おもは)ゆき [00:33.96]艶々(つやつや)の夜(よ)の香(か)は今昔 [00:37.16]徒(いたずら)に時は流れ [00:39.71]便りなき花は枯れてゆく [00:42.21]音をなす人も無くに [00:44.92]水面(みなも)にまた一滴(ひとしずく) [00:47.72]水色の玉響(たまゆら)ぞ [00:49.99]何故(なにゆえ)この身に幾度も [00:52.81]一人寝の寂しきに [00:55.22]また衣(きぬ)を濡らす [00:58.59]文無(あやな)きや文無きや [01:01.25]思いはまだ遠く [01:03.81]山の端(は)に久方(ひさかた)の [01:06.44]色濃い陽が出づる [01:09.09]清(さや)か