10クローネばかり 貸してくれよ 来月には 返すから 雨が止んだら 仕事もある 僕を信じて 街の外れに建ってた 古い見世物小屋 なぜだか 華やかに見えてたんだ 集まった大人のせいかな テントから潜り込んで リハーサルを覗いてた とんがった靴履いた 司会者のJokeは笑えない AH- だけど 目の前には 眩(まばゆ)い電飾が 溢れて 僕の知らない世界へ 連れて行ってくれたよ WORLD 10クローネ出せば パンが買える ワインだって 手に入る それより僕は 夢が欲しい ウキウキさせる 音楽とか 辺りでは 見たことない 奇抜な衣装を… あの人は仕事もせず 昼間から酒飲み 管(くだ)巻いて 「この世は闇なんだ」と 死んだ目でつぶやく 安っぽい絶望さ 死ねばいい 僕の母親は ダンサーだったらしい 愛人の道化師と 竹馬を履いて逃げて行ったって… AH- ある日 僕の家の 笑いやしあわせが 消えたよ 愛に触れたこともなく 愛の意味も知らなかった WORLD 10クローネ出せば パンが買える ワインだって 手に入る それより僕は チケットが欲しい こっそり脇から 入るんじゃなく 正式に 入り口から 未来に向かおうか 呼吸をする度 白い息 それは僕自身 まるで 一つの宇宙が現れて 神の掌(てのひら)の上 いくばくかの金なんか 意味はないんだ 生きる価値を探せ パンやワインなんかより 大切なもの アイデンティティを思い出せ そう僕は目を閉じて 走ってる WORLD 10クローネ出せば パンが買える ワインだって 手に入る それより僕は 夢が欲しい ウキウキさせる 音楽とか 辺りでは 見たことない 奇抜な衣装を… 正式に 入り口から 未来に向かおうか