虚ろな街を吹き抜けるこの風は 激しい 時の嵐の名残か 傷ついた夢は記憶の血溜まりを逃れて お前の中で蘇る この夜は確かに 胎内の暗さ 光の中へと 生まれる前触れ 忘られた景色の 宝石の宮から 幸いの海へと舞い落ちてくる まだ見ぬ一房の終末の果実 幸いの海へと舞い落ちてくる 忘られた君へと落ちてくる まだ見ぬ一房の終末の果実 青ざめ疲れたその身を横たえて 静かに芽を吹く大地はまだ見えず あのかすかな光に導かれて 明日にはひたすら朽ちてゆこう この夜は確かに 胎内の暗さ 光の中へと 生まれる前触れ