前文 日本へ訪問研修に来た李さんは小島さんに案内されて、東京見物をしました。 東京は日本の政治の中心であるばかりでなく、経済、教育、文化などの分野でも日本の中心地になっています。 東京の真ん中に皇居があります。東京の市街はここを中心にくもの巣のように広がっています。 霞ヶ関や丸の内、銀座などは都心とよばれています。 都心には、官庁や大きな会社、銀行などの立派なビルが立ち並んでいて、大勢の人が働いています。 一方、新宿、渋谷、池袋などは副都心とよばれ、買い物や娯楽の町として賑わっています。 浅草は庶民の町として昔から有名です。 今でも銀座や池袋などと違って下町の雰囲気にあふれた町として人々から親しまれています。 会話 小島:李さんは、東京は初めてですか。 李:ええ。東京は日本の首都ですから、日本の政治の中心と言えるでしょうね。 小島:ええ。そればかりでなく、経済、教育、文化などの分野でも東京は日本の中心地になっていますよ。 李:そうですね。東京都の面積はどのぐらいですか。 小島:二一八〇平方キロメートルぐらいです。 李:大都会ですね。人口から言えば東京は今千二百八十万人ぐらいでしょう。 小島:ええ。東京全体の人口を外の都市と比べると、大都会と言えるかもしれません。 けれども、二十三区だけなら、そうでもありませんよ。 李:そうですか。 小島:では、地図を見ながら、東京をご案内しましょう。 李:よろしくお願いします。 (皇居とその周辺) 小島:ここが皇居前広場です。 李:広いですね。 小島:皇居は東京の真ん中にあります。東京の町はここを中心にしてくもの巣のように広がっています。 李:この通りは美しいですね。 小島:ええ、この通りは美しい散歩道になっていて、一周すると、一時間半もかかります。 李:ほら、人々がそこでバレーボールやバドミントンをしていますね。 小島:ええ、それは近くの会社や役所で働いている人たちです。毎朝、ここでマラソンをする人も大勢いますよ。 李:そうですか。あそこにバスがたくさんとまっていますね。 小島:ええ、あれは国内外から東京見物に来た人や団体を乗せた観光バスです。ここは一年中、観光客でにぎわっています。 李:あそこの緑の所は何ですか。 小島:公園です。今の皇居は昔の江戸城の一部にすぎません。あとは三つの公園になっています。 李:そうですか。皇居の正門から左手に石造りの大きな建物が見えますね。 小島:あれは国会議事堂です。 李:あちらの方に見える高い塔はなんですか。 小島:あれは新東京タワーです。東京スカイツリーと言います。六〇〇メートル以上もあるそうです。 (銀座) 李:人が大勢いますね。 小島:ええ、銀座通りには有名なデパートがたくさんあります。 李:銀座のお店の特色はいったい何でしょうか。 小島:商品の種類が豊富なことでしょう。銀座のデパートで買えないものはないと言ってもいいくらいです。 李:でも値段は高いでしょう。 小島:いいえ、そうでもないです。高いものもあれば、やすいものもあります。 李:それなら、銀座はほんとうに大人の買い物の天国ですね。 小島:そうですね。でも、銀座には子供の遊び場などもあって、買い物ばかりではなく、いろいろ楽しめるようになっています。 李:そうですか。ところで、日曜日は人が多くて大変でしょうね。 小島:いいえ、銀座通りは休日になると、「歩行者天国」といって車が通行止めになって、買い物客などが道の真ん中をのんびりと歩けるようになっています。 李:上海の南京路と同じですね。 小島:ええ、その時は通りにテーブルやいすが並べられ、露店も出ますよ。人々は公園でも散歩するような気持ちで、ここへ遊びに来るんです。 李:日曜日の銀座の姿をぜひ一度見たいですね。 (新宿駅を出て) 小島:ここが新宿です。 李:わあ、高層ビルが多いですね。 小島:ええ、みんな二百メートルぐらいあるビルですよ。この中で、新都庁舎が一番高く、新しい新宿のシンボルになっています。 李:都庁をここに移したんですか。 小島:はい、そうです。霞ヶ関あたりに集中している会社や官庁の一部をここに移しました。 それは交通の混雑を防ぐためだと言われています。 (浅草) 李:すごい人出ですね。 小島:ええ、浅草は庶民の町として昔から有名で、いつでも人がいっぱいですよ。 李:映画館や劇場などもたくさんありますね。 小島:はい、そうですね。ここはいつも大勢の人でにぎわっています。 李:ずいぶん小さなお店が並んでいますね。 小島:はい、みんなおみやげを売る店ばかりです。 李:そうですか。この町は銀座や新宿とはどこか雰囲気が違いますね。 小島:小さい店が多いし、昔の東京の下町の雰囲気が今でも残っているからでしょう。 李:そうかもしれませんね。ここの雰囲気は上海の豫園とよく似ていますね。 単語 見物 けんぶつ 研修 けんしゅう 小島 こじま 教育 きょういく 分野 ぶんや 真ん中 まんなか 皇居 こうきょ 市街 しがい 蜘蛛 くも 巣 す 広がる ひろがる 霞か関 かすみかせき 丸の内 まるのうち 銀座 ぎんざ 都心 としん 官庁 かんちょう 立ち並ぶ たちならぶ 一方 いっぽう 新宿 しんじゅく 渋谷 しぶや 池袋 いけぶくろ 副都心 ふくとしん 娯楽 ごらく 賑わう にぎわう 浅草 あさくさ 庶民 しょみん 下町 したまち 雰囲気 ふんいき 溢れる あふれる 親しむ したしむ 首都 しゅと 東京都 とうきょうと 面積 めんせき 平方 へいほう 大都会 だいとかい 人口 じんこう 全体 ぜんたい 比べる くらべる 区 く 周辺 しゅうへん 広場 ひろば 散歩道 さんぽみち 一周 いっしゅう バレーボール 役所 やくしょ マラソン 国内外 こくないがい 団体 だんたい 観光バス かんこうばす 一年中 いちねんじゅう 観光客 かんこうきゃく 緑 みどり 江戸城 えどじょう 一部 いちぶ 後 あと 石造り いしづくり 国会議事堂 こっかいぎじどう スカイツリー …通り どうり 特色 とくしょく 一体 いったい 豊富 ほうふ それなら 天国 てんごく 遊び場 あそびば 楽しめる たのしめる 歩行者 ほこうしゃ 通行止め つうこうどめ 露店 ろてん わあ 都庁舎 とちょうしゃ 移す うつす 集中 しゅうちゅう 防ぐ ふせぐ 並ぶ ならぶ 残る のこる 読解文 京都の町は山に囲まれています。それで、京都は昔は「山城」と呼ばれていました。 町の中を流れる鴨川は、人々の四季の生活を映しながら、他の川と合流して大阪湾に注いでいます。 盆地であるために、夏はむし暑く、冬は底冷えがきびしいのが京都の気候の特色です。 「山紫水明の地」と言われるとおり、京都の自然美は抜群です。 春や秋には遠く外国からも京都の美を求めて多くの人々がやってきます。 町の人々の暮らしや仕事には、他の土地にはない独特なものが見られます。 祇園祭りなど有名なお祭りや年中行事もたくさんあります。 西陣織など日本を代表する伝統産業も活発です。 また、響きのやさしい言葉も、うす味の京料理も古い都の歴史の中で洗練されてきたものです。 単語 囲む かこむ 山城 やまじろ 鴨川 かもがわ 四季 しき 映す うつす 合流 ごうりゅう 大阪湾 おおさかわん 注ぐ そそぐ 盆地 ぼんち 蒸し暑い むしあつい 底冷え そこびえ 山紫水明 さんしすいめ 地 ち 自然美 しぜんび 抜群 ばつぐん やってくる 土地 とち 祇園祭 ぎおんまつり 西陣織 にしじんおり 伝統 でんとう 響き ひびき 薄味 うすあじ 京料理 きょうりょうり 都 みやこ 洗練 せんれん