暗い所から聞こえてる 赤錆びた鋼の音 古ぼけた開かずの間に 閉じ込めた宝の箱 汚れ剥がれ落ちた壁紙 埃にまみれた床 朽ち果てて見る絵もない 私だけのミュージアム 顔のない人が列をなして並ぶ ふと見上げると無邪気に笑う 誰も居ない朝日が登るから 誰も居ない地平を照らして出す 誰も居ない景色が見えるから 誰も居ない歌が聞こえていた 繰り返す日々にあのひのことが溶け 消えない今日の火がまた灯る 誰も居ない夕日が沈むから 顔を消した私がそこにいた