美咲:ただいま。 纱奈:おかえり。 美咲:なんだ。 纱奈:この前出した懸賞はがきがあたったの。 美咲:へえ、なんだ?なにがあたったんだ? 纱奈:お米、味噌、醤油。 美咲:紗奈、うちが貧乏だからって、中学生なんだから、もっと夢のあるものに応募してくれ。 纱奈:懸賞ハガキは片っ端から応募することに意義があるの。部活の一環だから、気になさらずとも。 美咲:そうか。 纱奈:お姉ちゃんこそ家計のために好きでもないメイドのバイト、大変だよね。 美咲:いや、好きでもないは言い過ぎだ。 纱奈:じゃ、好き? 美咲:好きかと言われればそうも言い切るのにも。確かに時給も高いし、条件だけで選んだ事は否めない。しかし、店の人たちは皆よくしてくれるし、わたしは恵まれてると思う。 纱奈:結構重いな。 美咲:あれ、言わせっぱなしかい。