フランツ:不思議だな。 マクシミリアン:えっ? フランツ:一つの家にこんなに家族がいるっていうのは。 マクシミリアン:フランツさんのうちだって、たくさんの人がいらっしゃるんでしょう? でも今は数人の召使いと母だけだから マクシミリアン:そうだったんですか。 フランツ:貴族っていっても、いろいろあるさ。 ヴァランティーヌ との婚約だって、家がパリで代々続いた王党派っていうだけで、ヴィルフォール氏が無理やり決めたことだ。まあ、おれはおれで、アルベールのとこと違って、財産もないから、海港の道へ進む時、バックがあるのは悪くないと思ってたんだけどさ。 マクシミリアン:ごめんなさい。そんな事情も知らないで、僕は… フランツ:お前に心配されるほどバカじゃないぜ。いちようこう見えても、勉強してるからなあ。