浦島はますますかわいそうに思って 「じゃあ、おじさんがお足をあげるから、その亀の子を売っておくれ といいますと、子どもたちは 「うんうん、お足をくれるならやってもいい」といって 手を出しました そこで浦島はおあしをやって亀の子をもらい受けました 子どもたちは、「おじさん、ありがとう。また買っておくれよ と、わいわいいいながら、行ってしまいました そのあとで浦島は、こうらからそっと出した亀の首を優しく撫でてやって やれやれ、危ないところだった。さあもうお帰りお帰り」といって わざわざ、亀を海端まで持っていって放してやりました 亀はさもうれしそうに、首や手足を動かして やがて、ぶくぶく泡をたてながら 水の中に深く沈んで行ってしまいました