ワタシは紋白蝶 白い翅を羽ばたいては 繰り返す羽化 繰り返す恋 嗚呼 私は左の翅 貴方の幸せを焦がす、想い 私は右の翅 ワタシの幸せだけ焦がす、想い ひとつのワタシ 相容れない 心の隅で 怯える希望 ワタシは紋白蝶 白い翅を羽ばたいては 交わる想い 脈打つ悪意 惑溺の海 漂い 酔い 余威 宵居し 甘い誘いで 薊の棘に 触れ 私は左の翅 貴方が幸せならあとはどうでもいい 私は右の翅 ワタシが幸せになりたい 溜息の音はもう悲痛に聴こえる 空の暗夜では 白く隠し切れない 哀願する…貴方の膝の上で むだがきの様な 涙流し 言葉の後に 叫びを上げる ワタシは紋白蝶 相容れない二つの想い 手にしたい無垢 翅を千切って 全て捧げる 貴方を振り向かせたくて 右も 左も 空も捧げるから…… こんなに広い 空の世界で 貴方を見つけ 恋し焦がれて 身体に触れて 心に触れて 寄り添い合えば幸せ――なのに もういいわ ワタシは■■蝶? 飛び立てる翅を失くして 無垢にもなれず 継ぎの羽化へと 翅を捧げた 貴方を許す思いなど こんな小さな身体には 収まりきらない―― ――嗚呼 継ぎの羽化で