哭(な)いていた 唯(ただ)哭(な)いていた 他人眼(ひとめ)につかない 世界(せかい)で  其(そ)して恥(はじ)を知(し)り  惨(みじ)めになれば 全(すべ)てが廻(まわ)りだした 何常(いつ)もこの胸(むね)は  何(なに)かを満(み)たそうと 散々(さんざん)なめに遭(あ)って  仕様(しょう)がない いっそ理性(りせい)など  殺(ころ)して仕舞(しま)おうか 虎視耽々(こしたんたん)  狙(ねら)いを さだめ さだめて 何常(いつ)もこの口(くち)は  誰(だれ)かに迫(せま)ったり 散々(さんざん)なめに 遭(あ)わせているな 色(いろ)づいた 山茶花(さざんか)の 血(ち)を舐(な)め廻(まわ)して 恨(うら)むような 其(そ)の視線(しせん)に 向(む)けて 哭(な)いていた 唯(ただ) 哭(な)いていた 他人眼(ひとめ)につかない 世界(せかい)で 其(そ)して恥(はじ)を知(し)り  惨(みじ)めになれば 全(すべ)てが廻(まわ)りだして ゆく 翳(かげ)りゆく 堕天使(だてんし)の 背中(せなか)を抱(だ)き寄(よ)せ 囁(ささや)いた 耳(みみ)の奥(おく)で 添(そ)っと いかないで もう いかないで いまよりもっと かしこくなるし やさしくなるし つよくもなるし じゃまなものは ころしてあげる 今 哭(な)いていた 唯(ただ)  哭(な)いていた 他人眼(ひとめ)につかない 世界(せかい)で 其(そ)して恥(はじ)を知(し)り  惨(みじ)めになれば 全(すべ)てが 廻(まわ)りだして 心臓(しんぞう)は 一(ひと)つになる