煩う現も微か 掠れた声も僅か ぎらぎら ぬばたまの闇 沈んでいく 絶えた望みを 可愛がる指の跡 嗚呼 だけどひとり 取り残されたとはまだ思わない 流れぬ時の側 朽ちてゆく病葉に 貴女なら何思うのかと問うてみれば 月が最も 高く照らす頃まで 嗚呼 ぶつけ合った 命の余韻が止まない 「瞬間と永遠は どちらがー番儚い?」 比べて肩を落とす貴女が一番だわ 未来に見捨てられて 過去に爪弾きにされて 分かち合える寂しさなんて なんにも変わらないね 別に構わないけど 紅蓮に塗れた喧騒 作り物の静寂 どちらなら満足できるの 愚かしくて 夜毎語らう 貴女を感じるほど 嗚呼 憎らしいわ 今宵はよく眠れそうね 壊れつつある心も 生きるという事の怒涛も 疲れた顔もまたどうせ お互い様なんでしょう 私の為なんかに 貴女が泣いてくれるなら 月に帰ってしまおう…なんて それも悪くないかな 口には出さないけど 日常も痛みもほら ふたり同じはずなのに ときどき なぜだか貴女 やけに羨ましいの 例えば いつの日にか 或いは夢の中でもいい 長過ぎた永遠にも 終わりが来るとしたら どこかの遠い場所に 貴女と私二人きりで 燃え尽きて目を閉じよう そういうのもいいかな 誰にも言えないけど