この手を離れた 美しい羽音よ ちいさなわがまま 許してほしい この目に悲しい 景色が映るから やわらかいその声 思い出させて りりりり 僕の部屋に迷い込んだ君は 見掛けよりも素直な目をしてた 不器用な声が妙に愛しくて 僕の耳をさんざん夢中にさせたのに この手を離れた 美しい羽音よ まだ僕は君のこと 愛せたけれど その目が肩越し 窓の外映すから やわらかいその声 空に逃がした りりりり それからまた君に似た迷子を 見掛けるたび耳が熱くなった 何もない僕の何もない部屋は 君がいないことをうるさく教えるよ 震えを止めないで どこかで鳴いていて 誰かの手のひらで 歌い続けて この手を離れた 美しい羽音よ 戻って来ることは 望まないから この世が悲しい 景色を映すときは やわらかいその声 思い出させて りりりり