終わりかけた夏の日の どこか急かすような 切ないにおいは君のこと 想うには充分すぎるから 日焼けの指輪の跡が ほら 勿忘草が 夕風に揺れ まだ なまぬるい記憶運ぶ 花言葉はね「忘れないで」だと 教えてくれたのは君だよ 空に浮かんでいるのは 途切れ 途切れた雲で 幾度と駆け抜けてきた 季節がまた手を振っているよう まだこんなにも蒸し暑いのに 湿っけた花火を横目にして 背を向けていく セピアに染めてく 深く息すればきゅんとするの 鮮明に映る 日々の途中に 落としてきたものは何? 気づかないくらい 気づけないくらいに 心高鳴っていたんだ もう勿忘草が 夕風に揺れ 次の季節を運んできた あともう少し もう少しだけ あたしのことを包んでいてほしい おわり