温いサイダーを飲み干して 朱く燃える空を見ている 私達は狂っている 「人のせいにするな」という 魔法にも似たような教えを 称えている この街では 人のせいにできないのなら 自分を責めて生き続けた 幼い子の成れの果てだ 一人だけまともじゃない気がした そうさ こうして心だけが 鈍い音をたてながら 本音を飲み込むたびに 腐っていく 「誰もが平等に愛される きらびやかな命だ」と 嘘をついて騙したんですか ドス黒い炎が 自分の住処さえも 侵していくのが 見えますか 奴隷都市は今日も謳う 見えない暴力を孕んで 笑顔の裏に 狂気が宿る 人間を名乗る価値は 重すぎて手も足もぺしゃんこ まともじゃない この人生に 誰も責任は取ってくれないさ 違う名前で呼ばれるたびに 生きてちゃいけない気がして あなたたちの言う普通には なれそうにありません ああ 世界で自分だけが 邪魔者のような気がして 死ぬことも許されないまま 落ちていく 誰もが祝福を受けて 産まれてくる命なら どうして こんなに息苦しいの ドス黒い炎に じわりと焼かれていく 愚かな私が 見えますか 温いサイダーを飲み干して 朱く燃える空を見ていた 私達は狂っている