茜の空は永遠に 茜の空は幻に 山並み遥か 茜色 乾いた汗に 吹いてくる 風にトンボが乗ってくる 茜の空は金色に 茜の空は紅に 変わらぬものはないものと 幼子ころに立ち止まる 蜩がなく カナカナと スイカの匂い残る手で 冷たくなった肩を抱く 茜の空は紫に 茜の空は群青に 終わらぬものはないものと 幼子ころにしみてくる 夏の終わりがしみてくる おわり