皆様、私は鎌月鈴乃と申す。故あってここ笹塚に罷り越してきた。 時代遅れの旧家の娘、世間知らずで相済まぬ。 不思議な縁でエンテ・イスラから日本 流れ流れて笹塚のヴィラ・ローザ 白い(すずの!)麺は(うどん!) 隠した想いを込めて茹でよう ご近所の付き合いは長屋暮らしの とても大事なことだから、うどん…贈らなければ 初めて訪れたのだけど、何故だかどこか懐かしい。 ここは、私が失った何かに溢れているのだな… なさねばならぬと忍ばせた己の迷い 何故かここで暮らすほどに溢れてくる 馴れぬ(すずの!)嘘を(うどん!) 隠した着物の模様…それさえ 「かまわぬ」と呼びかけて私を包む これを情けと呼ぶのだな、また…涙が落ちる 茹であげたこの麺のコシの強さが 『絆』なんだと気付かせる、皆…うどんを食べよう まだまだなにも解らぬけれど、うどんを囲むこの団欒と、 そこに灯った笑顔のことを、今は信じてみようと思う。 笹塚…ここへ来てよかった。