夢を見た 夢を見た それを紙に描いた 小さなクレヨンで描いた空を塗って 白い綿で雲を縫った 夢を描いた 夢を描いた クレヨンで描いた こんな風になりたいの 未来画を掲げたって ずっと未完成のままで どうせダメだって 泣き疲れた坊や 絵を捨ててしまった 描いた空ひび割れても かき集めた雲千切れても その絵を濡らしたりしないで 散々でした、もう嫌。って 残念でした、もう辛い。って ―ただ逃げてた 夢を裂いた 夢を裂いた それを雨に流した 黒い白クレヨンで空色を塗りつぶした 二度と何も描けないように 夢を描いた 夢を描いた あの頃に見てた 空も影も白い綿も 全部もう何も見えない くだらない廃腐った空だ どうせダメでも 白紙はカッコ悪いと 少女は絵を描き続けた 描いた空ひび割れても かき集めた雲千切れても その絵を濡らしたりしないで 散々でした、もう嫌。って 残念でした、もう辛い。って ―ただ逃げてた 「怖がりなんかじゃない。 ダメじゃない。 額縁なんていらない。 描き方なんて自由よ。 だから動けないわけじゃない。 ウソじゃない。 やらない後悔より 空しいものはないでしょ。」 描いた空ひび割れても かき集めた雲千切れても その絵を濡らしたりしないで 汚れた筆を拭って 下手くそって言われてもいいから ―もう逃げない