[00:00.00] 作曲 : RD-Sounds [00:01.00] 作词 : RD-Sounds [00:04.260] [00:07.710]今際のときにさえ [00:14.910]その道を説くこと [00:19.790] [00:21.180]その心に幾ばくかの影 在れば或いはと [00:31.880] [00:36.210]いとしきその名を呼び [00:43.230]どれほど惜しんでも [00:48.260] [00:49.640]その声が此方を向くことは 終ぞ此の時 [00:57.550]ありはしなかった [01:03.180] [01:04.160]せめて 最後には 応える言葉を [01:07.870]一言二言さえあれば [01:11.780]あるいはそれが かなしむ胸中(胸) [01:14.980]取除いて くれたかと [01:18.670]嘆きの哭(音) 呼びさますことも [01:21.990]できずに 届かぬ距離を錯覚う(思い) [01:25.760] [01:25.950]わたしはこうして独りになっていった。 [01:31.520] [01:32.210]もう、誰もいない。独りになる。 [01:36.250]それが恐ろしいのかと。自問(問お)えば。 [01:40.040]そうでもあり。そうではなく。 [01:43.320]ただなぜか戦慄く手の。 [01:46.510]わけのわからぬまま。止められなく。 [01:50.430]その衝動に埋もれながら。 [01:55.250] [01:55.760]私は何を怖れている。 [02:01.210] [02:15.870]握り締めていた手を [02:22.570]開いて見つめれば [02:28.370] [02:29.210]見る影無く枯れ細った手に 老い白んだ髪 [02:38.970] [02:44.150]私はあなたほど [02:51.060]強くも無ければと [02:56.400] [02:57.690]この心に幾ばくかの影 振り払うなど [03:05.350]できはしなかった [03:10.910] [03:12.230]曰く そも受け入れ難きことにも [03:16.090]心の在り方を正せばと [03:19.500]寄辺とした 教示さえ今 [03:23.010]空しければ 意味は無く [03:26.670]うつろうべく 生きることは苦と [03:30.100]思い至ることも必定と [03:33.540] [03:33.890]わたしはこうして独りになっていく。 [03:39.410] [03:40.100]そう、生きていたい。消えてしまう。 [03:44.180]それが恐ろしいのだと。気付く。 [03:48.120]何物でもなく。何者でもなく。 [03:51.370]ただこの身だけを惜しんで。 [03:54.430]老いて消えゆくまで。止められなく。 [03:58.460]その衝撃に打ちのめされて。 [04:02.660] [04:03.730]私は怯えているのだ。 [04:09.120] [04:09.510]こうして消えていくは世の倣いであるなど [04:16.450]わたしはもはや認められない [04:22.870] [04:23.660]あの花の彩を移したこの髪さえ [04:30.730]わたしはもはや認められはしない [04:36.430] [04:36.930]ゆえに、手繰り寄せる。この両手で。 [04:40.990]道を踏み外そうとも。それが。 [04:44.990]信じたもの。縋ったもの。 [04:48.200]全てに背を向けようとも。 [04:51.490]我を喪うこと。止められよう。 [04:55.230]その願いさえ叶うのならば。 [04:59.770] [05:00.520]生きてこそ至れるものへ。 [05:05.110] [05:05.890]-もう、何も怖れない。