地に手を着いて 追いつくばって それでも良かった 一人でずっと ひっそりとそっと 息をしてた いつからだろう 正しく覚えてはいないけれど きっと楽しいだけ のものではなかったはずだった それなら この鳥篭の中も悪くない 蓋をして 閉じ篭って 見上げるだけ そうだ 明日は 良い夢を見よう だから今夜は まだこの月を眺めていよう いつかはきっと忘れてゆく でもそれで良いんだ 一つ一つ 丁寧にそっと 仕舞っておくから 例えば 鈴の音 小さな魔法と 月の兎 竹森に 歴史の味 もう誰もいない、 何もない世界で 残されたものは拾って それでも ああ明日は 良い夢を見よう 笑って生きてゆけるような夢をきっと見よう