咲き乱る風花が密か(みそか)心をに隠した。 瑕瑾(かきん)無き肌に触れて欲しい、貴方の手で。 花月は夜長し(よながし)と睦言(むつごと)。 傍目(そばめ)を雪洞(ぼんぼり)が映ろふ。 思ひ寄そふ。 恋しき人の遠し聲(こえ)。 天つ空の貴方をお慕い申しております。 咲き乱る風花が密か(みそか)心をに隠した。 瑕瑾無き肌に触れて欲しい、切なり。 思ひ塞く(おもいせく)心中の焔(ほむら)は絶えず身の後も燃ゆ。 深雪の上で佇む白鷺(しらさぎ)の様に泣く。 行き摩りの恋しき人と残り香よ。 天つ空の貴方をお慕い申しております。 童歌を謡う、二人の佳景(かけい)は想ひ出の中に咲いている撫菜(なでな)。 頸着き(うなつき)の私を撫で笑う貴方、今は遠く遠くても。 指きり、忘れず。 咲き乱る風花が密か(みそか)心をに隠した。 瑕瑾無き肌に触れて欲しい、切なり。 貴方だけ、貴方だけに、言おうとしていた言葉がある。 天つ空の先にまで届くような聲で。 「愛しています、ずっと。」