赤る透き影、黑髮摇れる 匂ひやかなり 襖を開(はだ)く白く細い指が震えて 色色咲き乱れ散り敷く華の様な恋心 明(さや)かな此の姿で泳ごうぞ 慕情の海 諸恋ひなりて、共に生きる 臥い転(こいまろ)び恋ひ死ぬとも 天寿までも超えし二人、恋衣離さず 斑雪(はだれゆき)の隙間 紅の薄様(くれないのうすよう)が見えて 天道歩く、初茜 撓る(おおる)様な事も少なからず 背中(せな)を向け合う 甘え甚し(いたし)と、二人、笑った 寄り添い乍ら 真日(まけ)長く恋ひ渡りませうと 予言(かねごと)の様に 比翼連理は幸ひ人(さいわいびと) 偶(たまさか)なり人 丸くなった背中で語る日まで 手を繫ぎ步こう 大切な言葉で成り返る程に、愛そう 諸恋ひなりて、共に生きる 臥い転(こいまろ)び恋ひ死ぬとも 天寿までも超えし二人、恋衣離さず 常しへなる愛は 言葉にせずとも思ひ知る 君との、此れぞ、真の恋。