厄神様の通り道 幸福と不幸なら同時に 傍から見れば狂気じみた繋がり これは互いに最悪の形 嘘か正直 それも終わるもうじき こびり付いた脳裏に 数多の流し雛が残す災厄の形見 形代に乗せた思いとは裏腹 川中に消え浮かぶは泡沫 始まりは有耶無耶 それでもいずれ帰るその厄を恨むな 人知れずぽつりと増える雛人形 様式美 頬擦りをしたくなる程の 心ここに在らず 去って行く後ろ姿 後ろ髪を引かれながら 振り返らず決して見ない 記憶の一部 消してみたい 引き摺る未来 迷い停滞 手痛いしっぺ返しは近い 出会い別れ 何もかもが間違い 未だ指先に残る感触が絡めとる全てを やはり振り出しに戻る 知らないほうが幸せなこともあるわ 偶然か必然 破り捨てた便箋 されども一途に 続く道筋 ふとした気付き それでもみすみす見過ごす無意識 深くなる疵に 運命 歯車 両肩 軽くなる 人とは違った 幸か不幸か 厄の外から見上げた空がこんなにも素っ気なく流れているとは この身に纏う災いの渦に惑う 優しさが身に染みるこんなにも 当たり前が無くなる 何もかも変わる 回る回る 忘れてしまわぬよう 寄り添っては離れて やがて流れ消える この身に宿る厄の行方を辿る 誰も近づくなかれ 如何なる日も 待ち人は居なくなる またこれも運命 回れ回れ 誰にも見られぬよう 切り取っては並べて 流せば幸せになるのだから どうしても忘れられず 文字の羅列眺めては呻いた 結果として破滅から生まれる希望すらも無くし 手探り 目隠し 幸福の絶望が近くに 未だ指先に残る温もりが縛り付けている全てを やはり振り出しに戻る たとえ不幸でも忘れないでこのまま 幸せ願えど苦しくなるもの 厄が集まる 垣間見る覚悟 この身削るよう 幾千の夜を超えて今もまだ健気に求める ただ本来の姿 役割は無くなりはしない やり場のない想いは厄の内から見上げた空に流れた この身に纏う災いの渦に惑う 優しさが身に染みるこんなにも 当たり前が無くなる 何もかも変わる 回る回る 忘れてしまわぬよう 寄り添っては離れて やがて流れ消える この身に宿る厄の行方を辿る 誰も近づくなかれ 如何なる日も 待ち人は居なくなる またこれも運命 回れ回れ 誰にも見られぬよう 切り取っては並べて 流せば幸せになるのだから あなたの厄なら私が受け止めるから 本音か建前 別れた日から それとも最初から 解れば今分け合えた 幸せの隅に住み着いた寂しさの分だけ泣いた あなたからの厄を待ったまま 流されていく雛が水面にて回る禊川 この身呪う幾度と無く どうしても災厄以外の想いは届かず 減る口数 外から見た不幸と内から見た不幸の結末 少しの間触れ合えただけで私はとても幸せでした 背を向ける厄の狭間 願わくはあなたに幸あらんことを この身に纏う災いの渦に惑う 優しさが身に染みるこんなにも 当たり前が無くなる 何もかも変わる 回る回る 忘れてしまわぬよう 寄り添っては離れて やがて流れ消える この身に宿る厄の行方を辿る 誰も近づくなかれ 如何なる日も 待ち人は居なくなる またこれも運命 回れ回れ 誰にも見られぬよう 切り取っては並べて 流せば幸せになるのだから 厄神様の通り道 幸福と不幸なら同時に 傍から見れば狂気じみた繋がり これは互いに最悪の形 嘘か正直 それも終わるもうじき こびり付いた脳裏に 数多の流し雛が残す災厄の形見