[00:24.08]不動尊よ 我に力与え給(たま)へば [00:26.98]いざ大蛇、酒呑童子(しゅてんどうじ)も [00:30.20]此の庭の碁石に変えてお見せしませう [00:33.55]都は地獄の如く狂乱の鬼が巣喰う [00:38.19]秩序が業火(ごうか)と共に [00:39.81]堕つのを見ているだけか [00:42.60]太古の巡りに倣(なら)い [00:47.22]我は鬼女(おにめ)を討つ [00:52.04]極彩色を浮かべた京の都に [00:56.44]其方(そなた)の影はついぞ掻き消えた [01:01.39]されど胸の内、映し出した此の文(ふみ)が [01:06.09]消えぬ限り必ずや「仇(あだ)」討ちして [01:10.60]参(まい)る故(ゆえ) [01:30.35]夢見の悪い明け方の紫の雨 [01:34.99]露(つゆ)と光る [01:36.10]曼珠沙華(まんじゅしゃげ)が燃へる山道 [01:38.87]獣の瞳 [01:39.79]俗世(ぞくせ)を断ち山中に身委ねし老師より [01:44.71]授かりし兜と毒酒携へていざ行かん [01:49.03]「お待ちくだされ」とぽつり [01:53.70]言の葉ひとつ浮かぶ [01:58.37]咲き乱れし物の怪(け)の宴の夜に [02:03.04]渇いた陵辱の風、響き渡る [02:07.99]あなや… [02:08.53]さりとて引く訳には行きますまいと [02:12.71]毒を盃(さかずき)に注ぐ [02:35.74]其方がまだ人の子のように [02:38.28]笑っていた頃が走馬灯のように [02:45.07]もう心根(こころね)通わせていた [02:47.50]二人には戻れない故… [02:53.16]極彩色を浮かべた京の都に [02:57.72]其方の影はついぞ掻き消えた [03:02.45]さりとて真(まこと)の実を喰い尽くした心を [03:07.25]消さぬ限り必ずや「仇討ち」して参る故 [03:12.64]今しばし