[ti:] [ar:] [00:00.00] 作曲 : ふる [00:01.00] 作词 : ふる [00:05.55]「二番線に参ります電車、二十四時丁度発、大熊座行き、 [00:10.83]本日最終列車となります。お乗り過ごしのないようご注意下さい。」 [00:17.12]灯台の光 波打ち際は囲いの庭 [00:21.53]特急列車は相も変わらず閑古鳥 [00:25.40]星座の光 線路の隙間に茂る雑草 [00:30.09]寝台列車も星と日付と共倒れ [00:33.68] [00:34.08]通過駅に佇む影法師 [00:40.12]座席の向かいは鈍色シート [00:44.37]「お切らせ願います。」 [00:45.39]空に水飛沫 いたずら描きの道が交わる [00:49.75]看守が微笑む偶然を寝そべり待ちぼうけ [00:53.75]すす払い 指でなぞる曖昧な時刻表 [00:58.88] [01:01.98]らん らん らん らん [01:05.91]らん らん らん らん [01:10.07]らん らん らん [01:13.23]裂けて 避けた 鈍行列車 [01:16.51]点いて 消える きまぐれ信号 [01:19.67]直せ 叩け 切り換えスイッチ [01:22.84]歪み 並ぶ 使い捨てのレール [01:27.73]本当は思ってなんかいやしない [01:30.05]その腕で抱き締めてもくれやしない [01:32.70]積もりに積もった 置き去りの祝詞も空へ帰し [01:36.60]がらんどうの客室の窓 紺の空に流れるひつじ雲 [01:40.69]どうせすぐに見えなくなる それは誰が望んだ成れの果て [01:50.88] [01:51.48]有限の砂浜 近付く満潮 消えた連絡船 [01:55.64]深夜二十四時 閉じ込め締め出せ シャッター街 [02:00.05]ざわざわ燈る真鍮のランプから [02:06.16]山吹色の雫が影濡らす [02:09.74]「降車終了、車庫に入ります。」 [02:11.40]さあ響け汽笛よ 遠く遠く大熊座まで [02:15.67]相席の山高帽 それでも幸せかと問い質せ [02:19.47] [02:19.90]うわ言の名簿に竜胆色の星が降る [02:24.92] [02:28.25]らん らん らん らん [02:31.95]蘭 らん らん らん [02:36.09]らん らん 濫 [02:39.00] [02:39.43]呑めや 唄え 春の影向 [02:42.58]鳴らせ 踊れ 夏の神楽 [02:45.99]大判 小判 秋の奉納 [02:48.98]拾え 零せ 冬の豊穣 [02:53.60]本当は噛み締めてなんかいやしない [02:55.98]明日の日付も今日も飲み込んじまえ [02:58.56]咀嚼の時間も 緊急停車にも気付きはしない [03:02.59]車掌はでたらめの口上 終の駅の足音蹴り飛ばし [03:06.74]車両の床を転がる胡桃 それは誰の望んだ成れの果て [03:16.14] [03:18.86]燃ゆる石炭 昇る黒煙 [03:24.39]醒めた現世 見えない [03:28.14]しなびた林檎 [03:29.46] [03:30.61]「■■■■■。」 [03:31.78] [03:32.84]本当は思ってなんかいやしない [03:34.87]その腕で抱き締めてもくれやしない [03:37.50]積もるだけ積もった その願いが背中を押す [03:41.52]がらんどうの客室の窓 紺の空に流れるひつじ雲 [03:45.49]どうせすぐに見えなくなる それは誰が望んだ成れの果て [03:51.44]主人のいない吊り革はゆらゆらと [03:53.55]誰がために列車は常世を走る [03:56.20]踏まれて散らばる 切符のお値打ちは行方知れず [04:00.13]紡がれない墨染めホーム 瑠璃の空に消え行くひつじ雲 [04:04.31]僅かに照らす灯台の光 それはお前が望んだ成れの果て