夏の風が止まる頃には、 夢を話しながら岬を見下ろして。 閉じ込めた言葉の中に、 いつか変える海を描いていたね。 浮かんだ幻、掌で包んで。 このまま忘れて、私を…… 揺らめいた明日は遠のく。 夜の波の中で自分を知らないこと。 哀しさが増えないように、 海に還る心、繋ぎ留めたい。 ああ、あなたを、ただ護りたい。 その痛み抱いた心、離したくないから。 記憶の底には、あなたがいたから。 最後に伝えて、想いを…… ああ、追憶はきっと海の中。 眩い優しさ、ずっと見つめていたかった。 ああ、あなたを、決して忘れない。 この痛み抱いた海は、静かに泣いている。 涙は、海へと消えてゆく。