杏ノ助 - 祭囃子と林檎飴 やってきました 今年も感じる さしも知らじな 燃ゆる思いを 余所の人には わからないかもね 老若男女で胸躍る 朝も早うから 頭編みこんで 真昼炎天下で はしゃぐ女の子 陽射し傾きゃ 待ちきれなくなって 浴衣羽織って 「もういいかい」 五穀豊穣を祈る さぁ年に一度のお祭りだ ヤーレン今夜は踊りゃんせ 八百万の神様こんばんは 下駄カラカラ 鳴らじゃんせ 幼子の右手に 林檎飴 きつく結んだ 浴衣の帯が 崩れるくらいに 騒げ女の子 法被姿の 男追いかけて 汗にまみれた旧街道 夏も終わりが近く 宵の風が涼やかに舞う はぁ~ 沈む陽を背にゆらり 提灯だけが 明るく揺れる それ明媚に走りゃんせ 子供の時から走り続けた 町内じゃ有名な悪ガキも 目を輝かせていた あの日から 宴もたけなわついに 今年も終わりの時が来る はぁ~ 提灯の明かりも消えて 月明かりが 寂しく照らす ヤーレン今夜は踊りゃんせ 八百万の神様おつかれさん 一年あんじょうしちゃってな 頼んどくで神さん ことしも それ明媚に走りゃんせ 塩まみれの法被を翻し この街の夜空にこだまする 祭囃子が好きなんや