風よ、茜色に 染まりゆけと願い 何處(どこ)か沈丁花(ちんちょうげ)、哀しげに 祈祷(いの)り続けたとして、余りに遠すぎる 幾晩過ぎれば、廻(めぐ)り遇(あ)える? 名も無きものに その名、貰い受けたよ 月夜の灯りに、照らされた切っ先に————……… 咎を禊(みそ)ぎ、櫻(さくら)咲く頃に、と 秘めた心意気を 於いて、前に進むのさ 震えた手に 添えられた温もり 永久(とわ)に あゝ、信じて 疵(きず)は、宵闇(よやみ)にて 鈍く耀(かがや)いてる 晴れぬ、徴(しるし)ばかり 見ていた 春の日差しの様な、微笑みを護りたくて 鴉羽(がらすば)の彩(さい)を纏(まと)う 強く在りたい 二度と、誰も喪失(うしな)わず 穢れた想い出、乗り越えて 貴方へと————……… 波打つ髪、揺れた光ひとつ 千切る一片(ひとひら)に 深い、愛を篭(こ)めて放つ 赦されても 偲(しの)びつづけている ふたり あゝ、淡く 夢の畔(ほとり)を歩く 愛しき人と共に 冬の厳しさの後(のち)、拓く運命————……… 咎を禊(みそ)ぎ、櫻(さくら)咲く頃に、と 秘めた心意気を 於いて、前に進むのさ 震えた手に 添えられた温もり 永久(とわ)に あゝ、信じて ~END~