遠い記憶を頼りに歩く 確かこの道 右に曲がった 長い石段 昇った先は 僕の知らない景色があった お祭りの喧騒からはぐれた夜 苔生やした鳥居に腰かけて 見慣れない服着て笑ってた女の子 僕を探しに来たんだ。 ああ あれはカミサマだったのかな 見下ろした街並みが滲んでく もう僕は大人になったけれど この場所は変わらないでほしかった あの子は今も子どものままで 祭囃子にはしゃいでるんだ。 ああ あれはマボロシだったのかな 少しずつ思い出せなくなって もう誰も覚えていないんだろう あの場所はどこにも無いんだろう もう僕は大人になったんだな 朧げに霞むあの子の笑顔 沈む夕陽に 耳、澄ましても 祭囃子はきこえなかった。