その頃彼は歌を 恋人に奉げていた 友たちはその歌を口ずさんでた 恋人は気の弱い彼のすべてを愛した ウウ… こよなく切ない ウ ウ… そのメロディー 僕はことばを失くした ウウ… 走る車に流れる声 聞きなれたその声 思わず耳を澄ませば あいつの言葉じゃない 彼の歌が流れるたび その名前は彼より大きくなってゆく あいつのことばじゃない 友たちは知っていた 彼がヒーローなんかじゃないことを やがて恋人は去ってゆく 僕がみたあの日の舞台のうえで 彼は涙を流していた 人はそのわけも知らずに 涙を讃え 醉いしれていた 友たちは知っていた 彼がヒーローなんかじゃないことを 彼がヒーローなんかじゃないことを お前の生き方に 間違いはない 望むものはすべて その手を伸ばせば お前の生き方に 間違いはない 望むものはすべて その手を伸ばせば 友たちが彼の歌口ずさんだ頃 彼は愛の歌を恋人にささげていた ウウウ…