甘い緑で脆弱に蝉は鳴いた 白い雲みたい 君の服はためいた ばらまいて地図を捨てた おどけてる僕を怒ったりしないでね ひどく暑い午後 静かに狂った 高く気持ちは一途に成層圏へ 吸い込まれていく僕を君はそこで笑って見てて そっと空を登って だんだん君が見えなくなって ずっと眩暈のように繰りかえす 真夏の真昼の夢 また僕を独りにする 「ねぇ、僕がそこからわかる?」 そっと空を登って だんだん君が見えなくなって ずっと眩暈のように 夢を見ておかしくなった 低く飛行機がとんで キラキラ機影がひらめいた 僕は魚になって 群青の空 ゆらり 深く潜って 光の中 泳いでゆく