[00:00.82] [00:28.46]庖丁一本 晒(さらし)にまいて [00:35.38]旅へでるのも 板場の修業 [00:42.03]待ってて こいさん [00:45.77]哀しいだろが [00:49.18]あゝ 若い二人の 想い出にじむ法善寺 [00:59.63]月も未練な 十三夜 [01:08.33] [01:10.58]“こいさんが私(わて)を、初めて法善寺へ連れて来てくれはったのは [01:14.37]“藤よ志”に奉公に上った晩やった。 [01:18.79]早う立派な板場はんになりいや言うて、 [01:21.95]長い事水掛不動さんにお願いしてくれはりましたなァ。 [01:27.25]あの晩から私(わて)は、私(わて)はこいさんが好きになりました。” [01:32.04] [01:34.09]腕をみがいて 浪花に戻りゃ [01:41.15]晴れて添われる 仲ではないか [01:47.80]お願い こいさん [01:51.67]泣かずにおくれ [01:54.86]あゝ いまの私には 親方はんにすまないが [02:05.38]味の暖簾にゃ 刃が立たぬ [02:13.56] [02:14.67]“死ぬほど苦しかった私(わて)らの恋も、親方はんは許してくれはった。 [02:20.81]あとはみっちり庖丁の修業を積んで一人前の料理人になる事や。 [02:27.87]な、こいさん、待っててや…。ええな、こいさん。” [02:35.24] [02:39.59]意地と恋とを 庖丁にかけて [02:46.98]両手あわせる 水掛不動 [02:53.82]さいなら こいさん [02:57.47]しばしの別れ [03:00.98]あゝ 夫婦善哉 想い出横丁法善寺 [03:11.21]名残りつきない 燈がうるむ [03:20.26]