遥か朧 幻想より 四季に交わす この咲かない桜の約束を ゆるりと漂う 数多の記憶の河川(かせん)と 一面を覆う 陽だまりの中にいて この日が変わらず続いて ずっと続いてと 願うの 桜に 心の奥 呟く 悟られないようにはぐらかして嘯いて それでもあなたに隠し事は出来ない だから 桜の花が咲く頃にはもう 仄かな光 散ることでしょう 赦して 今でもこれからもあなたは大切な人 きっとね 忘れる 私 自分のことも それでもあなたは忘れず覚えていてくれるの? 最期まで付き合わせてごめんね 幽雅に染まりて はらりはらりと 桜の花が咲く頃にはもう 鎮(しず)かな光 散る夜に告ぐ ありがとう 風に舞う詩は怖いほど儚いから ただ一つ願うの 満開の桜 咲き乱る頃 深い永遠の眠りに落ちる 幽かな光 散る夜に告げた 私のことよろしくね また逢いましょう